【介護職の疑問】
年収格差問題 3つのポイントから解説します。
地方の給与格差問題についてまとめました。
結論から言うと
- 関東、首都圏の給与が高い要因は区分と需要の問題
- 人口が少ない地域では、高給与は発生しない
- 最低時給が低い地域では、高年収は見込めない
その理由について、分析していきます。
年収格差が起きる3つのポイント
介護保険が主な収入源である、この事実は共通です。
介護保険外の収入源がある場合もありますが、今回はその要素は除きました。
①介護報酬の問題 地域区分で最大2割の差
介護保険の地域区分とは、介護報酬の単価算出に用いる上乗せ割合の区分で、地域ごとの人件費の差を反映するために設定されています。地域区分は、1級地から7級地、その他の計8種類に分けられており、地域別の区分については公務員の地域手当に準拠した設定になっています。ただし、隣接地域とのバランスを考慮して公平性を確保すべきという状況の場合には、介護報酬改定ごとに級地の見直しが行われています。
1級地 20%
2級地 16%
3級地 15%
7級地まであり、7級地は3%。
その他の地域は0%です。
細かい説明は省きますが、3級地以上にあるのは、関東と大阪、京都くらいです。
滋賀県はちょっと入っていましたが・・・。
他に地域加算などもあり、離島などでは加算が加えられます。
ちなみに大きめの特養での介護保険収入は1億2億などの単位です。
2割で数千万円違いますので、かなりの差。
②介護施設の人件費率の問題
令和四年のデータです。
特養の人件費率は65.2%
ユニット型特養63%
認知症高齢者GH 69%
こちらのサイトのデータを参照しました。
実際は振り幅が大きい
同じ特養でも人件費率は違います。
また、最も大きな支出として、施設建設時の借金があります。
そのあたりのバランスを踏まえ、黒字が維持できるか、が大切になります。
持続可能であることが、何より大事なのです。
そのため、各特養で給与基準は違います。
まれにブラックな待遇の施設や、役員やトップだけ高報酬という話も聞きますが、残業代未払いなど、職員を搾取しているケースもあるようです。
各地域での平均に働くことで、至ることができるかどうか、そこがポイントです。
最初は低いのは仕方ありません。
ちゃんと賃金が上がるか、が大切なのです。
③各自治体の補助金
2024年6月 東京都で介護職員に最大2万円を支給する補助が発表されました。
これは職員向けですが、介護施設むけの補助金は各自治体でも出すことが出来ます。
各自治体からの介護施設への補助は物価高騰対策や環境整備のためなど、色々な項目があります。
このあたりは自治体の資金力の差や規模によりますので、差が出てくる部分です。
国からの補助もかなり多い
こちらのサイトでまとめられていましたので、紹介します。
四国や九州などが低いのは時給格差と地域区分によるもの
- 地域区分によるプラスがなく、入ってくるお金が多くない
- 建設費用などのメインの出費は変わらない
- 働く場所の選択肢の少なさで、最低時給でも人がくる
地域によって環境は大きく異なります。
介護自体の需要はどこにでもありますが、供給が少ない方が給与は高くなります。
訪問介護においては、年収ランキングで上位になっており、求人でも年収390万円の求人もありました。
また、地域でも都市部では人口も多く、地域区分により10%以上の加算があるケースもあります。
その場合、首都圏なみの給与を実現している地域もあるようです。
まとめ
この2つが大きなポイントです。
時給で考えると最低時給で雇用可能な都道府県では時給900円くらいです。
比較して、最低時給では人材確保が出来ない首都圏では時給1500円もよくあります。
1.5倍以上の格差があり、この差により首都圏の介護職は年収400-500が多い、という結果になりました。
ただ、首都圏ではこの年収では生きていけない、というケースも多いです。
そのため、年収格差はあるが、どの都道府県でも介護職の年収は低い、は成り立ちます。